初心者のための技術チェックリスト
このチェックリストは自習の助けになるように用意しました。
各々のチェック点に関してはコーチより詳しく論理的・技術的サジェッションがあると思います。
テニスは本来、1対1ないし2対2でポイントを争うゲームです。しかし、とかく技術の習得に熱心なあまりゲームにあまり力を人れない傾向がみられることが あります。個々の指術の習得それ自体は十分しなければなりませんが、ゲームこそテニス本来の楽しみ方であることを考えれば、いまだにテニスの楽しみを十分 には味わってはいない、とも言えるでしょう。
一つひとつの技術はゲームで使ってこそ意味があるのですし、テニスの楽しみはゲームの中にこそあります。おおいにゲームを楽しみましょう。
ゲームの中にこそ楽しみも学ぶべきものもあります。
それを練習にフイードバックさせればよいのです。
とはいえゲームは相手のボールを確実に打ち返せなくては楽しめません。そのためには将来性をもった合理的なフォームを身につけ、それで自分の好きなゲーム展開ができるように数多くのボールを打たなければなりません。
おおいに練習を積みましょう。
学ぶべきショット
- サービス
- フォアハンドで、ワンバウンドしたボールを(あるいは空中のボールを直接に)打ち返す
- バックハンドで、ワンバウンドしたボールを(あるいは空中のボールを直接に)打ち返す
- 空中高いボールを打ち返す、あるいは打込む…さらには
- 体から遠いボールを追いかける、あるいは体に近いボールを避けて打つ
- 前に走って、あるいは後ろにさがって
- クロスに、あるいはダウンザラインに
- 高く、あるいは低く、スピードを変えて
- さまざまにスピンをかえて
…これらを状況に応じて打てるようになることが目標です
フォアハンドストローク
フォアハンドとは fore of the hand の意味で、手のひら側で打つことを意味します。グラウンドストロークとはワンバウンドで打つ技術のことで単にストロークともいいます。
フォアハンドストロークはテニスにおいて、もっとも重要な技術の一つ、とよくいわれます。この技術は使用頻度からいってテニスでもっとも多用されるショットで、このショットが強くなければプレーヤーとして大成することはできない。
「プレーヤーとしてもっとも重要な技術はフォアハンドストロークとセカンドサービスである」と、かのジャック・クレーマー(えっと!ジョン・ニューカムだったかな (~_~;) )も言っています。攻めるときには最強の武器となり、守るときには最後の砦ともなるこのフォアハンドは、研究しすぎる、ということはありません。
〃エースのとれるフォアハンド〃これが目標です。
ボールを良く見て(スピン・スピード・落下点)、すばやくすべるように打球位置へ移動するとともに、思い切り良くラケットを振切ります。
ラケットの軌跡は明らかに下から上です。
- 正しいグリップで握っていますか
- 適切なバックスイング
- フォワードスイングの開始点はボールより下ですか(low to high)
- 打球方向にしかもインサイドアウトに振っていますか
- 少なくとも手首が肩より上になるまでフォロースルーをしていますか
- ラケットを振り切っていますか
バックハンドストローク
バックハンドとは back of the hand のことで、手の甲側で打つことを意味します。バックハンドストロークといえばバックハンドのグラウンドストロークを意味します。
どのレベルでも一般的にバックハンドはフォアハンドに比して不得手とされていますが、それは主に体を不自然に使う、ためとやはり練習量がフォアハンドに比べて少ないからといえましょう。
ただしパワーは無くても、正確さないしは確実性という点ではフォアハンドより会得しやすいようです。
十分な練習量こそバックハンドストロークの味方です。
- 正しいグリップで握っていますか
- 適切なバックスイング
- フォワードスイングの開始点はボールより下ですか(low to high)
(フラットないしトップスピンで打つ場合) - 打球方向にしかもインサイドアウトに振っていますか
- 少なくとも手首が肩より上こになるまでフォロースルーをしていますか
- ラケットを振り切っていますか
- 十分に肩をまわしていますか
サービス
サービスはサーブともいい本来、単にゲーム(ないしはポイント)を始めるためのストロークの意味でした。(この辺りの事情は、例えばバドミントンのサービスなどに見ることができます)
しかしテニスではルール上かなり強力な〃サービス〃を打つことが可能で、事実、現代テニスでは攻撃力として第一にあげられる重要な技術です。
初心者だから、あるいは女性だからプアー(貧弱)なサービスでも良いということはありません。特にサービスは自分一人でも練習できますから時間をみつけては練習するよう心掛けましょう。
「十分な攻撃力と確実性そして必要なときにはエースのとれるサービス」これが目標です。
- 正しいグリップで握っていますか
- フットフォールトをしていませんか
- 体重が前足にかかっていますか
- トスは前すぎませんか、高さは適当ですか
- トスの上げ方(左手の使い方)は正しいですか
- フォワードスイングの開始点は、右肘の後ろで、しかも体から十分離れていますか
- 7時から2時の方向に打っていますか(hit up and out)
- フォロースルーは必要なだけの大きさですか
ネットプレー
ボレーやオーバーヘッドを主な技術とする、ネット際で行うプレーを一括してネットプレーといいます。ネットプレーの役割はまず自分の左右上(下)を広く、深く、確実に守り、その上でポイントを自分に有利なように導くことです。
ストロークに比べ、打球フォームの構造は単純かつ明解で決して難かしいことはありません。構成要素が少ないので習得も容易です。
ただ、ネットプレーを難かしく(思わせている)するものは、その立ち位置によります。つまり相手との距離が近いので反応に要する許容時間が少なく、しかもボールにスピードがあるうちに処理しなければならない、ということです。
良いボレーをするためには十分ネットに近付かなければならないし、良いオーバーヘッドのためにはネットから十分に遠ざからなければならない。この矛盾を解決するものは良い予測力とフットワークです。さらにいえばポイントを決する「強い意志と勇気」というところでしょうか。
ボレー
ボレーの役割はまず自分の左右上(下)を壁のように守り切ることです。
その上で適切な場所に適切なペースのボールを送り、次のショットヘのおぜん立てをすることです。そのためには良い面づくりが第一の課題となります。
- 正しいグリップで握っていますか。
- 小さめのバックスイング
- スイングの軌道は明らかに上から下です
- 打球方向へのコンパクトなスイング(ただし十分なコンタクトと押し出し)
オーバーヘッド(スマッシュ)
オーバーヘッドは自分の頭上を深く守ることが第一義です。
相手のロブはできるかぎり空中で処理することが基本であり、その上でポイントを決める威力を持つことができれば申し分ないでしょう。
- 正しいグリップ
- ボールを追う準備
- 早めに右(後ろ)足を決めましょう
- 後足に最後まで体重がかかっていますか
- しっかりと打っていますか
その他の技術
基本的なグラウンド・ストローク、サービス、ボレー、スマッシュなど以外にテニスには様々な打球法があります。それらの技術そのものは決して難しくはありませんが、ゲームにおいて自由に使えるようになるにはかなりの経験を必要とします。
これらをけっして高等技術と思ってはいけません。機会をみつけておおいに練習しましょう。
「初心者」ということは、特殊な技術を学ばない理由にはなりません。
適切なときに適切なショットを適切なところへ打つことができれば、テニスの幅を広げるだけでなく、自身の楽しみをおおきくすることにもなります。
- アプローチショット
- ドロップショット
- ドロップボレー
- ロブ(スライス、トップスピン)
- ロブボレー
- ハーフボレー
- ドライブ(スイング)ボレー