シニアテニスの考え方
シニアのテニスにおいて第一に考えることは、無理をしないように、と言うことでしょうか。通常でさえ、あそこが悪いここが痛い、となる年頃(失礼!)ですし、怪我をすれば直りにくくもなってきています。
しかしそうはいってもスポーツでありゲームであるかぎり、当然無理もありえます、怪我をすることもありましょう。その時のために、体を鍛えておくことは大事なことです。
鍛える、というときに決して「持久力をつけようと思わない」こと…大事なのは筋力、瞬発力やパワーです。
年令的にたとえパワーアップは無理としても、現在の筋力を維持しようとするだけで、 当然何もしない人よりはアップになって抜きんでることができましょう。筋力があれば、体勢が崩れたときのに支えになりますし、より早く準備し、より強いボールを打つことも出来ます。
「テニスはパワー」です。
今日から、体力(筋力)アップに励みましょうか…
チェックリスト
グラウンドストロークは、バックスピンやサイドスピンを主体とした構成に変えていくと良いでしょう。いわゆるスライス系のストロークですね。トップスピンやフラット系のストロークに比べてエネルギーが温存できますし、何より長年培ってきた多彩なテクニックを駆使できます。
そうすれば、ゲーム戦略も状況に応じて選択できる余裕が出てきましょう。
年をとるほど!前で勝負すべき、というのが私の自論です。もちろんネットの位置は前過ぎてはいけませんが・・・
後ろにいて前後左右に(お互い!)走らされるよりも、前で1・2発ボレーしてスマッシュ!で決めうる展開に持ち込んだほうが疲れが少ない、と思います。
なにより、爽快ですし、ゲーム時間も短くなってエネルギーを温存できます。
強調しますが、ベストポジションはベースラインならば、ベースラインの数歩手前(いわゆるノーマンズランド・デンジャラスゾーンなどといわれているところです!)、ネットについたならサービスラインの1-2歩手前です。
決して「教科書の定位置」を信じてはいけません。この位置でこそ、先に述べてきたショットの構成や技術要素が生きる位置なのです。また、それらを誇示できる位置なのです。 そのうえで、とるべき球・追うべきボール、立つべき位置について独自の境地を完成させましょう。
サービスラインとベースラインの中間あたりからのロングボレー
遠めのネット位置でのハーフボレーやローボレー、ドロップショットやロブボレー…う~ん、頭を抜かれそうなときのロブスマッシュ?
など、すべて必須科目といえます。でもそんなに難しく考えることもないでしょう。
普段の練習ゲームでふんだんに使っている技術でしょうから…慣れ・慣れ!!
大切なのは「このような技術は基本的に使わないほうがいいのだ…」というふうに考えないこと。むしろさまざまな技をTPOで積極的に使うゲームスタイルを確立していくべきです。テニスの幅を広げる・・・というか、年齢なりの智恵・・・というか、そういうものを改めて見せて(魅せて)いくというのはどうでしょうか。
あらゆる意味で「見極め」、武道で言うと「見切り」が大事になるんではないでしょうか。
追うべき球と(ある程度)あきらめる球
同様に守るべきエリアとやや捨てておくエリア
ポイントやゲームも同様ですね
といいつつ、やはり、「絶対あきらめないぞ」、「どんな球もぜ~ったい返すゾ」という気持ちをもち、相手にもそう知らしめることがまた重要です。
う~ん、矛盾だ。
でも、そうした矛盾や不条理をすべて含んだところから不可思議な世界が広がるのがテニスなんでしょう…
もはや、球出しのボールを息も絶え絶えになるほど打ち込む、などとは考えていないでしょうが、より効率の良い練習方法を編み出していかなければなりません。もちろん、それが出来る経験をお持ちのはずです。
一つの技術は目指すゲームプラン(テニススタイル)に関連付けたうえで練習しなければなりません。自分のゲームプランをよく検討し、それに必要な技術を優先順位をつけながら練習する・・・という具合でしょうか。もちろん、自分の得意な技術から使うゲームプランを構築する、という順序もありですね。
練習ゲームも、「入った、ミスした」という一喜一憂するゲームでなく、いかに戦術戦略にのっとったゲームをするか(技術を使うか)、できたか、というゲームをしていくといいと思います。